人の目には、たとえ同じ大きさのものでも遠くのものが小さく見えて、近くのものが大きくみえます。
この3次元にある空間を2次元の紙の上に立体的に描く為に必要なのが遠近法(パース)です。
違和感がないように描くアタリのようなものとここでは覚えてください。
【超初心者向け】パースのついた背景の描き方
これを使うために必要になるのが
- 物と人の大きさ
- 消失点
- カメラの位置
になります。絵が上手い人が必ず資料を用意するのはこういった情報が必要だからです。資料からこれらを読み取れればパースも何とかなります(多分)
資料を用意する
では、資料を用意して早速描いてみましょう。資料は自分で撮った写真を使うのがベスト。
今回の資料は以下のドアです。
この美しいドア(仮)の前に人を描きたい!と、あなたは思いました。しかしむやみやたらに描いてもうまく描けません。まずは情報を手に入れましょう。
まず、ドアの平均の高さと横幅をネットで調べます。高さの平均は180~2メートル位、幅は80位。
でも今回はわかりやすいようにドアの高さを160センチ、横幅を60センチとします。
そしてあなたが描く人物を自由に決めましょう。今回は人物の身長は140センチ、横幅を40にすることに決定しました。
消失点を見つける
消失点(しょうしつてん 英:vanishing point)とは遠近法において、実際のものでは平行線になっているものを平行でなく描く際に、その線が交わる点である。
wiki
一気に初心者向けじゃなくなりました。このままではやる気をそがれてしまうので、とりあえず線を引っ張りましょう。
ドアの上、下をツツーーっと伸ばしてあげると、二つの線が交わる場所があります。
これが消失点(イラストの赤い点)です。
消失点は「物体が消えていく点」と言い変えた方がしっくりくると思います。
この点が2つになれば2点透視図、3つなら3点透視図です。ここでは消失点が1点しかないので、1点透視図が使われています。
カメラの位置を探す
背景を描くのに必要な情報、いよいよ最後の一個「カメラの位置」です。この愛くるしいドアを、カメラマンはどの位置で写真に収めたのか…。
それを知る方法は実はとても簡単。消失点を通る直線を横に引くだけです。
消失点はアイレベルの上にしか存在しないというお決まりがあるので、消失点を見つけられれば簡単にアイレベルを見つけられます。
消失点を通ってる赤い線がアイレベルです。このアイレベルに合わせて写真は撮られた、という事になります。
これで欲しい条件は全て手に入れることができました。
情報を描きこもう
ドアの高さは160センチ、人物は140センチの人物を描きます。
わかりやすいようにドアの高さを四等分してしまいましょう。消失点から「大体これくらいかな?」と思う部分に向かって線を引きます。
40センチの間隔で分けることができました。本当は対角線を引いてなんたらとやらなくてはいけないんですが、今回は大体こんな感じと思う部分で大丈夫です。
これを描いておくと、ドアの正面に140センチの人間を描く時のヒントになってくれます。
人物を描く
まず「大体ここかな?」という部分に足元を描きます。ここから上に線を伸ばし、長方形の箱を描きます。
長方形は人物と同じ140センチに合わせて描きます。
後は箱を消して人物を整えてあげれば出来上がりです。
プロの場合は勿論違うと思うんですが、趣味で楽しく描きたい場合、漫画の背景はどこに誰がいるのかがわかれば大丈夫です。
まとめ
理解しようと思えば思うほど難しくなるのが遠近法。でも物と人の大きさ、カメラの位置、消失点がわかってしまえば意外と背景っぽいものが描けます。お絵描きを楽しんでください☆
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カテゴリー:漫画の描き方